テルメズ市ー仏教の遺跡が多い都市
ウズベキスタンの一番南の町テルメズは、アムダリヤの右側で、タシケントから南西490kmに位置する。南部テルメズは、紀元2世紀クシャン朝時代に隆盛を極めた。カラ・テパやファヤズ・テパ遺跡を代表とする多くの仏教遺跡がある。2500年以上の歴史をもち、支配者も多かったこの町は、ウズベキスタンの他の町とは違い、あらゆる宗教が見られる。
現在テルメズには古代要塞宮殿の壁跡、仏教カルト洞窟のカラ・テパ、ハキム・アット・テルメジ廟、キリキ・キジ建築物(40人の女子)、スルタン・サアダットの霊廟、コキドル・アタ廟、ジャクルガン廟、テルメズ考古学博物館などが見学できる。
ファヤズ・テパ。ファヤズ・テパはテルメズ近郊、アフガニスタンとの国境に近いところにある仏教遺跡である。3~4世紀ころ、ゾロアスター教を信仰するササン朝の攻撃でこの地の仏教は一度衰退し、その後再び隆盛。この地から仏教が消えたのは8世紀以降のイスラムの進出によるものだった。この遺跡はユネスコ日本信託基金プロジェクトにより保存修復がなされていて、上のストゥーパが美しい姿なのも、その修復によるもの。
カラ・テパ遠望。カラ・テパ遺跡も1~3世紀の仏教遺跡。ファヤズ・テパより更にアフガニスタンとの国境に近く、国境線となるアムダリヤ川沿いの軍事施設内にある。